2010年10月8日金曜日

保険なんて必要ない

生命保険、医療保険に入る必要はないと思います。
安い掛け金で、何かのときに儲かるから保険に入るのが動機だと思います。
月々1万円くらい掛けていると(賭けて、の方が正しい)何千万円ももらえるという幻想です。
つまり、儲かるはず。
というのが、根本的な根拠のはずですが、なんと、保険はまったくの赤字になってしまいます。

例えば、ベット代がでるとか死んだらお金がおりるという、生命保険や医療保険ですが、この保険の致命的に悪い部分は10年ごとに保険料が倍になります。
悪いというのが、悪なのではなくて、儲からないから収支があいません。
答えは預貯金で備えるというのが正解ですが、どのくらい割りに合わないか試算してみましょう。

20代の保険料が、仮に年5万だとして、30代は倍になって年10万円、40代は年20万円、50代は年40万円、60代は年80万円、70代は年160万円、80代は年320万円、90代は年640万円です。

20代の10年間で通算50万円を支払います。
30代の10年間の通算は100万円、ここまでで合計150万円を払い込んでいます。
40代は10年で200万円、ここまでで350万円。
50代は10年で400万円、ここまでで750万円。
60代は10年で800万円、ここまでで1,550万円。
70代は10年で1,600万円、ここまでで3,150万円。
80代は10年で3,200万円、ここまでで6,350万円。
90代は10年で6,400万円、ここまでで12,750万円。
死ぬまで一生涯、医療保険で自分を守るためには、1億2千750万円払うと、医療保険がおり、ベット代が1日に1万円くらいもらえます。
死亡時も、3千万円くらいおります。

��億円以上も払っていて、数万円のベット代や、3千万円くらいの生命保険を受け取るのは赤字です。
そもそも、こんなに払ったら無駄ですし払えません。つまり、医療保険を継続することはありえないことです。実際に病気がちになるとか死亡しそうな高齢の時点では入っていられない程、高額な保険料になってしまいます。
つまり、ほとんどの人が解約してしまいます。

上述の例は月4千円くらいの試算ですが、月に1万円くらい払うと、生涯で晴らす保険料は倍以上ですから5億円くらいの保険料になります。
当然、誰もそんなに払えませんから途中解約をします。

保険会社が儲かっていたのは、若い人から保険料をもらっていながら、中高年では、解約してしまいますので、保険金は払ってこなかったから、成立していたビジネスモデルです。
ネズミ講が禁止される法律がありますが、昭和の時代の生命保険が上述のように、期待に対して機能しない商品であるのに、成立していることは不思議です。ま、千人以上の集団訴訟で詐欺として訴えられているのが現実です。

さて、お父さんが病気になったり、子供がいるうちに死亡したら家族が生活できないという危惧があり、それも保険の目的の一つになっています。
健康だったが、80歳で死亡するというケースではなく、例えば35歳で死亡するようなケースに保険の目的があるのではないか? という解釈です。
だから、保険に加入する意味はある。のだとして…

まず医療保険には入っています。
それは公的な健康保険です。月額8万円以上の治療費は全額、健康保険から払われます。3割負担だから国は7割しか負担しないのではなく、8万円以上は青天井で負担してくれる超大型の医療保険に入っているんです。
または、就業中の怪我は労災で治療費が全額出ますし、給料もでます。

余談ですがベッド代は公的な保険では支給されません。
でも、14日以上は入院できませんし、入院の確率が統計的にはあまりに低く、預貯金で対応すべきです。
本稿は民間の保険を否定していますが、ある程度(30万円とか)の預貯金は確保しておくべきと思います。

医療保険は健康保険で加入しており、しかも高額医療は全額支給と手厚いもので、民間の保険で補う必要性は低い。
民間保険会社の医療保険は保険料が高く、あるいは10年ごとに倍増するので、結局はせいぜい50代くらいまでしか入っていられない。この絶望的な欠点だけでも、最初から入らなくて良いと判断しても正しいし、医療保険料を払ったつもりで、貯金をするほうがよいし、明解に言えば、医療保険はあまりに損が大きいから、選択肢に入らない。

次に、生命保険にも実は入っています。
厚生年金は、扶養家族がいる働き手が、若くして亡くなった場合に、遺族年金として支給されます。
これは死亡によって支給がスタートしますから、生命保険と同じととらえてよいでしょう。
厚生年金は、老後の資金だと思われていて、しかも、それがスズメの涙くらいしか出そうにないために絶望されており、ネズミ講が禁止される法律がありますが、国家が年金を行っていることは理解ができません。
ただ、遺族年金(生命保険)の部分は期待ができます。換言すれば年金の加入メリットは遺族年金しかありません。

そもそも死んで保険金が必要なのは、子供などの扶養家族が幼い時期の生活費ですが、上述のように遺族年金で足りるのであれば、準備しておく必要がありません。
では、目先を変えて死亡保険金の他の意味は何でしょうか? 葬式代? 単なる遺産として大金を子供にあげたいから? どれも必要性はありませんし、もし用意するとしても額も100万円とか、そんな水準でよいのではないかしら? また、そんな規模なら貯金で充分です。

生命保険は死んだら保険金が下りるものですが、死んだら遺族に多額の保険金を渡すという習慣はホントにあるのでしょうか? 2/14に義理チョコを配るよりも、空想的な迷信ではないでしょうか?
せいぜい葬式代程度を最低限ためておけばよく、その程度の目標なら預貯金の積立てで充分で、保険料負担よりも、グッと小さな負担ですみます。仮に月に2,000円ずつ積みたてれば50年で120万円になります。
月5,000円ずつ貯めると500万円近くなります。保険の代替としては、保険料を検討した上で、保険に入らずその分を貯蓄するというのが計画的と言えます。

健康保険と厚生年金という公的な保険は、強制加入ですから入るかどうか? 保険規模をどうするか? などという判断はありません。
民間の医療保険や生命保険は入るかどうか? 保険規模をどうするか? などという判断がありますが、公的な保険に入っているのに、保険金を受け取れないようなものに高額保険料を払う必要は、普通は無い。ただし、ちょっと貯金はしておこうといのうが、サラリーマンの場合の結論です。